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Halal・BPOM

Halal認証・BPOM登録の基本:日本ブランドがインドネシア展開前に確認すべきこと

食品、飲料、化粧品、サプリメント、ヘルスケア商材をインドネシアで販売する日本企業向けに、BPOM登録、Halal認証、SHLN、MRA、輸入者、ラベル、申請期間、よくある失敗を整理。

インドネシアで食品、飲料、化粧品、サプリメント、ヘルスケア商材を販売する場合、日本で販売実績や品質認証があるだけでは不十分です。市場投入には、BPOMによる安全性・品質・表示の確認と、BPJPHによるHalal認証または外国Halal証明書登録が大きな論点になります。特に2026年10月17日は、輸入食品・飲料、化粧品、伝統薬、健康補助食品、低リスク医療機器などに関するHalal義務化の重要な節目とされており、日本ブランドは早い段階でBPOMとHalalを並行して準備する必要があります。本記事では、日本企業がインドネシア展開前に確認すべき実務論点を整理します。

BPOMとHalalは別の制度だが、同時に設計すべき

インドネシアの消費財規制では、BPOMHalalが二つの大きな柱になります。BPOMは、食品、飲料、化粧品、サプリメント、伝統薬、医薬品などについて、安全性、品質、成分、表示、製造管理、流通後の監視を担う当局です。一方、HalalはBPJPHを中心に運用される制度で、原材料、製造工程、洗浄、保管、輸送、表示がイスラム法上の要件に合っているかを確認します。

日本企業が誤解しやすいのは、BPOM登録が取れれば販売できる、または日本のHalal証明書があれば輸入できる、という考え方です。実際には、BPOMの流通許可番号と、BPJPHに基づくHalal証明または外国Halal証明書登録は別々の手続きです。商品カテゴリによっては、どちらか一方ではなく、両方の準備が必要になります。

特に食品、飲料、化粧品、健康補助食品では、成分、効能表現、ラベル、輸入者、倉庫、Halalロゴ、HSコード、製造工場情報が複数の制度にまたがって確認されます。したがって、市場調査や代理店探しと同時に、BPOMとHalalの実務確認を始めることが重要です。

2026年の重要論点:輸入品にもHalal義務化の波が来る

インドネシアでは、Law No. 33 of 2014に基づくHalal Product Assurance制度が段階的に実施されています。従来、Halalは市場上の差別化要素として見られることもありましたが、現在は多くの製品カテゴリで法的な市場参入要件になっています。

食品・飲料については、当初2024年10月17日が大きな期限とされましたが、輸入品や中小企業を含む一部対象については、PP No. 42 of 2024などにより、2026年10月17日が重要な期限として位置づけられています。食品、飲料、原材料、添加物、香料、加工補助剤に加え、化粧品、伝統薬、健康補助食品、一部の医療機器や身体に直接触れる消費財も同時期の対象として整理されています。

日本企業にとって重要なのは、2026年の期限が近づくにつれて、BPJPH、BPOM、税関、輸入者、リテール側の確認が厳しくなる可能性がある点です。期限直前に準備を始めると、SHLN登録、LPH監査、BPOM登録、ラベル変更、倉庫監査、初回輸入許可が重なり、販売開始が大きく遅れる可能性があります。

BPOM登録:ML、NA、SK/SIの違い

BPOM登録では、商品カテゴリごとに取得すべき流通許可番号が異なります。輸入加工食品や飲料ではML番号、化粧品ではNA番号、健康補助食品や一部サプリメントではSKまたはSIの登録が論点になります。日本側で食品、化粧品、雑貨、健康食品として販売している商品でも、インドネシアで同じ分類になるとは限りません。

例えば、日本では食品として販売している機能性飲料やサプリメントが、インドネシアでは健康補助食品や伝統薬に近いカテゴリとして扱われる可能性があります。化粧品でも、効能表現、成分濃度、UVフィルター、防腐剤、重金属、微生物基準によって、BPOMの審査や必要データが変わります。

BPOM登録の前提として、インドネシア側に登録名義人が必要です。海外の日本法人が直接BPOMライセンスを保有することはできません。日本企業は、PT PMAを設立して自社で登録名義を持つか、インドネシアの輸入者・販売代理店を登録名義人として任命する必要があります。

輸入者・登録名義人の選定が市場支配力を左右する

BPOMHalalの実務では、誰が登録名義人になるのかが非常に重要です。現地代理店に任せる場合、その代理店がBPOMライセンス、輸入、ラベル、リコール、当局対応、在庫、販売チャネルを実質的に握ることになります。代理店変更時に登録名義の移転が難しく、商流やブランドコントロールに影響する可能性があります。

一方、自社PT PMAを設立して登録名義を自社側で持つ場合、初期費用や運営負担は大きくなりますが、ライセンス、輸入者情報、販売権、在庫、チャネル戦略をコントロールしやすくなります。長期的にインドネシア市場を重要視するブランドでは、自社名義と代理店名義のメリット・デメリットを比較する必要があります。

輸入者を選ぶ際には、販売力だけで判断してはいけません。NIB、API-U、KBLI、倉庫、温度管理、SMKPO/CDKB、リコール手順、品質管理、BPOM対応経験、Halal Supervisorの有無まで確認すべきです。販売が強い会社でも、規制実務が弱ければ、登録や初回輸入で止まる可能性があります。

BPOM登録の実務フロー

BPOM登録は、商品を一つずつ申請すればよい単純な手続きではありません。まず、インドネシア側の輸入者または登録名義人が、正しいKBLI、NIB、輸入者番号、倉庫、事業許可を持っているかを確認します。食品やサプリメントではSMKPO、化粧品ではCDKBなど、Good Distribution Practicesに基づく倉庫・流通体制が確認されます。

次に、商品ごとの成分、製造工程、規格、Certificate of Free Sale、GMP/HACCP/CPKB、Certificate of Analysis、ラベル案、パッケージ、輸入者情報、委任状を整理します。化粧品ではINCI表記が求められ、食品・サプリメントでは成分、添加物、栄養表示、効能表現、警告表示、賞味期限、保存条件が審査対象になります。

申請は、食品・サプリメントではE-Reg、化粧品ではNotifkosなどのデジタルシステムを通じて行います。BPOMが追加資料要求(TLD)を出すこともあり、成分データ、安定性試験、重金属、微生物、効能表現の根拠、ラベル修正などを求められる場合があります。TLD対応が遅れると、登録期間が数カ月単位で伸びることがあります。

最終的に承認されると、食品ではML、化粧品ではNA、健康補助食品ではSK/SIなどの番号が発行されます。これらの番号は商品・SKU・仕様に紐づくため、後から成分、製造工場、パッケージ、表示、輸入者を変更する場合は、変更申請または再登録が必要になる可能性があります。

Halal対応:SHLN登録とRegular Auditの違い

日本ブランドがHalal対応を行う場合、大きく二つのルートがあります。一つは、日本でBPJPHとMRAを持つ外国Halal認証機関から証明書を取得し、その外国Halal証明書をインドネシアのSIHALAL上でSHLN登録するルートです。もう一つは、インドネシアのLPHによるRegular Auditを受け、MUIのFatwaプロセスを経てBPJPHからHalal証明書を取得するルートです。

SHLNルートは比較的効率的ですが、誤解が多い制度です。日本のHalal証明書があるだけでは、インドネシアで販売できません。BPJPHに認められた認証機関であり、かつ、その認証機関のCompetency Scopeが対象商品カテゴリに合っている必要があります。食品に認められている機関の証明書を化粧品に使うことはできません。

SHLN登録では、外国Halal証明書、NIB、委任状、輸入者情報、商品名、HSコード、倉庫情報、真実性宣誓書、製品リストなどをSIHALALにアップロードします。商品名やHSコードが輸入書類・ラベル・証明書と一致していない場合、差し戻しや登録拒否につながります。

Regular Auditルートでは、インドネシアの監査人が日本の工場を直接確認する可能性があります。原材料、添加物、香料、洗浄剤、製造ライン、倉庫、交差汚染リスク、SJPHマニュアル、Halal Supervisor、MUI Fatwaまで含むため、3〜6カ月以上かかることがあります。工場側の準備負担も大きいため、早期のギャップ分析が重要です。

Halalは最終製品検査ではなく、サプライチェーン管理である

日本企業が最も誤解しやすいのは、Halalを最終製品の豚DNA・アルコール検査のように捉えることです。インドネシアのHalal制度では、最終製品だけでなく、原材料、添加物、香料、酵素、乳化剤、ゼラチン、グリセリン、洗浄剤、製造補助剤、製造ライン、保管、輸送までが確認対象になります。

例えば、植物由来とされるグリセリンでも、その製造元、原料、製造設備、交差汚染の有無を説明できなければ、Halal監査で問題になります。香料や酵素のキャリアとして使われるエタノールも、その由来や用途、残留、製造工程上の扱いを確認する必要があります。

また、同じ工場で豚由来原料や非Halal製品を扱っている場合、物理的なライン分離、保管分離、洗浄手順、記録管理が重要になります。Halalは一度証明書を取れば終わりではなく、SJPHに基づいて継続的に管理する制度です。

ラベル・広告・効能表現の注意点

インドネシア向け商品では、ラベルと広告表現も重要な審査対象です。商品名、成分、原産国、輸入者BPOM番号、Halalロゴ、使用方法、警告表示、賞味期限、保存条件、栄養表示、内容量などが正しくインドネシア語で表示されている必要があります。

日本で使っている効能表現をそのまま翻訳すると、BPOM上のカテゴリや許可された広告表現を超える可能性があります。例えば、美容、ダイエット、免疫、疲労回復、抗酸化、治療、予防、医薬的効能に近い表現は、食品・化粧品・サプリメントの境界をまたぐ論点になります。

Halalロゴについても、外国認証機関のロゴだけを表示すればよいわけではありません。BPJPHの要求に従い、インドネシア公式HalalロゴやSHLN登録番号の扱いを確認する必要があります。非Halal商品として販売する場合にも、表示・販売チャネル・消費者説明について確認が必要です。

期間と費用の目安

食品、飲料、化粧品、サプリメントのインドネシア展開では、初期準備から初回輸入まで8〜14カ月程度を見込むことがあります。現地法人または輸入者の準備に1〜2カ月、BPOMの施設・倉庫確認に1〜2カ月、商品登録に4〜9カ月、Halal SHLNで約30営業日、Regular Auditでは3〜6カ月以上かかることがあります。

費用は商品カテゴリとルートによって大きく変わります。BPOMのPNBPは、化粧品、食品、健康補助食品、伝統薬などで異なり、SKUごとに発生します。HalalのSHLN登録は比較的低コストですが、海外工場へのLPH直接監査が必要になる場合、監査費用、渡航費、宿泊費、ラボ試験、翻訳、SJPH整備費用が大きくなります。

実務上は、政府手数料だけでなく、翻訳、アポスティーユ、認証、ラベル修正、サンプル試験、倉庫改善、輸入者監査、専門家費用、商品ごとの追加資料対応まで含めて予算化する必要があります。特に2026年の期限前後は、BPOM・BPJPH双方の処理が混み合う可能性があるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。

日本企業がよく間違えるポイント

第一に、成分変更やサプライヤー変更を軽く見てしまうことです。BPOM登録やHalal証明は、特定の成分、製造工程、工場、原材料サプライヤーに紐づきます。微量成分、香料、安定剤、乳化剤、カプセル、包材を変更しただけでも、変更申請や再確認が必要になる場合があります。

第二に、販売代理店を営業力だけで選ぶことです。輸入者が正しいKBLI、NIB、API-U、倉庫、SMKPO/CDKB、リコール体制、BPOM対応経験を持っていなければ、いくら販売力があっても登録が進みません。

第三に、MRAを自動承認と誤解することです。日本のHalal証明書があっても、BPJPHのMRA対象機関であり、対象商品のScopeに合い、SIHALALでSHLN登録されなければ、インドネシアで法的に有効とはいえません。

第四に、日本語や英語の科学資料をそのまま提出できると思うことです。BPOMやBPJPHでは、インドネシア語・英語での正確な翻訳、INCI表記、HSコード、商品名一致、効能表現の調整が必要です。翻訳ミスや表記ゆれは、TLDやSHLN差し戻しの原因になります。

IJB Consultingの支援範囲

IJB Consultingでは、日本ブランドがインドネシアで食品、飲料、化粧品、サプリメント、ヘルスケア商材を展開する際のBPOMHalal対応を、事業戦略と実務の両面から支援します。

具体的には、商品カテゴリ判定、BPOM登録要否確認、Halal義務化対象確認、BPJPH MRA Scope確認、SHLN登録方針、Regular Audit準備、原材料・成分・ラベルの初期確認、輸入者・代理店の規制適格性確認、PT PMA設立との比較、必要書類リスト、スケジュール設計、現地専門パートナーとの実務調整を行います。

また、日本本社向けに、販売開始までの現実的な期間、想定費用、リスク、未確認事項、代理店契約上の注意点を整理します。制度や運用は商品カテゴリ、成分、製造国、輸入者、MRA Scopeにより変わるため、実際の申請前にはBPOM、BPJPH、税関、現地専門家の最新確認を前提に進めます。

よくある質問

実際のご相談でも多い質問を整理しています。

質問 01

BPOM登録とHalal認証はどちらが必要ですか?

商品カテゴリによります。食品、飲料、化粧品、サプリメントなどでは、BPOM登録とHalal対応の両方が必要になるケースが多いため、並行して確認すべきです。

質問 02

日本のHalal証明書があればそのまま輸入できますか?

できません。BPJPHが認めた外国Halal認証機関の証明書であり、対象Scopeに合致し、SIHALALでSHLN登録されている必要があります。

質問 03

日本法人が直接BPOMライセンスを持てますか?

通常できません。インドネシア側のPT PMAまたは輸入者・販売代理店が登録名義人になる必要があります。

質問 04

BPOM登録にはどのくらいかかりますか?

商品カテゴリや追加資料要求によりますが、食品・化粧品・サプリメントでは数カ月から9カ月程度かかることがあります。Halal対応や初回輸入準備を含めると、8〜14カ月程度を見込むこともあります。

質問 05

成分やパッケージを後から変えても問題ありませんか?

問題になる場合があります。BPOM番号やHalal証明は特定の成分、製造工程、工場、ラベルに紐づくため、変更申請や再確認が必要になる可能性があります。

質問 06

非Halal商品として販売できますか?

商品カテゴリと表示要件によります。非Halal商品でも、明確な表示、販売チャネル、消費者説明、輸入・ラベル規制の確認が必要です。

質問 07

IJBは輸入者や代理店の確認もできますか?

可能です。NIB、KBLI、API-U、倉庫、SMKPO/CDKB、BPOMHalal対応経験など、規制実務の観点から候補先を確認できます。

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